リーバルの日記

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数日ぶりにハイラル城に参上した。あの無口な騎士やほかの繰り手達ともこの日が久々の対面だ。
案の定、あの楽士との件を根掘り葉掘り聞かれた(主にあのインパとかいうシーカー族の執政補佐官に)
何を言っても全部僕のせいにされるのが目に浮かんだので、ちょっと口論になったとだけ言っておいた。
しかし、あの日の件について誰も詳細を知らないということは、あの楽士は誰にも話さなかったのだろうか?

それにしても驚いた。まさか、あの楽士が自ら僕に謝罪してくるなんて。
案外義理堅い性格なのだろうか。少し見直した。
真っ先に僕の元にやって来たところからすると、彼女もきっと思い悩んでいたんだろう。
仲直りの印にと差し出された手を握り返すのは、さすがにためらわれた。

その後、簡単な自己紹介をさせられた。
こんな挨拶一つで団結が深まるわけでもあるまいに。ぬるいなれ合いなど馬鹿馬鹿しい。
またもや驚いたことに、あの楽士はここでも秘めた才覚をちらつかせた。
どこかで演説の経験でもあるのだろうか。
……いや、下町で演奏していたのなら、曲の合間のトークなんぞで言いなれているだけかもしれない。
緊張した面持ちではあったが、淀みなく言い切る様子に皆拍手を送っていた。
それほどのことかはさておき、かくいう僕も柄にもなく感心した。

今後の活躍を期待していると伝えると、彼女は望むところだと意気込んだ。
生意気な女だ。弱いくせに。

けど、その心意気は……まあ、嫌いじゃない。

(2021.6.7)

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