リーバルの日記

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ハイラル城へ参上した日から数日、神獣操作の訓練のためずっとメドーにこもりきりだった。
自然と暮らすリトの僕にからくり仕掛けの装置は馴染みがなく、
青く光る台座や古代文字が雫のように流れる石(勇導石というらしい)など初めて目にするそれらに気後れしそうになった。

しかし、何ということはなかった。
頭の中まで石が詰まってそうなダルケルは慣れるまで随分手こずっていたようだが、幸い僕は地頭が良い。
説明の通りに操作してみれば、まるで自分の体を動かすのと変わらなかった。
弓を使い飛行するこの僕と、光線を放射し飛行するメドーは、すこぶる相性が良い。

けれど、ひとたび訓練を終え寝床に就くと、浮かんでくるのはあの楽師の涙だ。
訓練場では僕の皮肉など風のように受け流していたというのに、なぜあのときはあれほどまでに怒ったのだろう。

少し様子が気になって姫に尋ねてみたが、
ほかの繰り手の神獣の調節にかかりきりで城に戻っていないため近況はわからないという。

近々顔合わせのために改めて城に集うようにいわれた。
なんでガノンを倒すだけのために他人と馴れ合わなくちゃいけないんだ?
それに、顔合わせということはおそらくあの楽師もその場にやって来るはずだ。……気まずいことこの上ない。

でも……もしタイミングがあれば、一言詫びを入れてあげなくはないかな。
女を泣かせておいてそのまま、なんて、リトの男の羽折れだろうし。

(2021.6.7)

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