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のどかな昼下がり

ほのぼの。夢主視点。
とあるキャンプでの休息。


 
キャンプにて。
炒めあがった山海焼きを皿に取り分けているとき、近くの木を的に弓の練習をしていたリーバルがちょうど戻ってきた。
彼は「うまそうなにおいじゃないか」と上機嫌でこちらに近づいてきたが、私の手元をのぞき込んだ途端、顔をしかめた。

「ちょっと!何で一品なのに仕切り皿に入れてるの。
しかもそこ、副菜を乗せるところだろ!」

「あっ!!」

無事に調理し終えて気が抜けていたせいか、彼に指摘されて初めて失態に気づく。
とんだ間抜けだ。

「メインのところにはマックスサーモンを入れるつもりになってました…」

「山海焼きにハイラルバスを使うから、マックスサーモンは晩にしようってさっき話したじゃないか!
まったく、君はなんでそんなにそそっかしいんだい」

頭を抱えたリーバルと、自嘲気味に笑う私、同時にため息が漏れる。

「まあまあ。
おいしくできたんですから、お皿なんてどうだっていいじゃないですか」

「開き直ってるんじゃないよ!
見栄えが悪いだろ!スカスカじゃないか」

怒られているはずなのに、このやり取りがなんだかだんだんとおかしくなってきて、私はついつい噴き出しそうになって手で口を押える。

「何にやけてるのさ。
ちょっとは反省しなよ!」

「ふふふ、ごめんなさい」

「まったく反省してないだろ!?
もういいよ、晩は僕が作るからね!」

「はいはい、冷めないうちに食べましょ」

お皿を手渡すときもリーバルはまだぶつくさお小言を垂れていたが、山海焼きを口に運ぶと、途端に眉根を寄せたまま急に無口になった。
そして少し照れくさそうに「なかなかおいしいじゃないか」とつぶやくと、また無言で食べ進め始める。

一口、また一口と食べ進めるにつれてだんだんとご機嫌な表情になっていくさまが愛おしい。
気づかれないようにこっそりほほ笑んだつもりだったが、彼は目ざとく。

「何見てるんだい」

「なんでもないですよー」

そんなのどかな昼下がり。

終わり

(2021.2.8)

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