記念文

ホタル舞う夜の約束

「お祭りが終わるまでもうそんなにないですから、リーバルは待たずにこのまま回っちゃいましょう」

そうしましょうか、と人ごみをかき分けながら村に入っていく三人のあとを追いつつ、ああは言ったもののやっぱり後ろがどうしても気になって。
村に入るまでリーバルの姿がないかと何度も振り返っているうちに、気づけばみんなとはぐれてしまっていた。

三人を探して近くの露店を回ってみたが、なかなか見つからず。
こんなに会えないということは、もしかしたら向こうも探し回っているのかもしれない。
あまり動かないほうが賢明かもしれないと思い、どこか留まれそうな場所はないかとあたりを見回したとき、ふと、綺麗に並んだ三つの的が目に留まった。

“的当て屋”と書かれている。

正直、弓はあまり得意ではない。
リーバルが射っているのを真似て木を的に練習したことがあったが、まともに飛んでさえくれなかったのは記憶に新しい。

そのとなりの小池も少し気になる。
看板が見当たらないが、どうやらつりぼりのようだ。
無数のハイラルバスが浅い水のなかすいすいとすれ違いながら時折水面を跳ねている。

どちらもあまり得意ではないけれど、時間を潰すにはちょうどいいかもしれない。

◆どちらにする?

的当て屋
つりぼり 


 

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