偏屈者の苦悩

偏屈者の苦悩

正論だったとしても、もっとほかに言い方があったんじゃないかと言われれば、それも一理あると言えなくもない。
まあ、一応謝っておいた方が無難か。

「……わかったよ、謝っておく」

「おう、それが良いと思うぜ。それじゃあ、話がついたことだし、俺ぁ戻るぜ。疲れてるとこ悪かったな」

あばよ、と言い残し、ダルケルは立ち去って行った。
やっと静かになった。安堵とともに疲れが一気に押し寄せる。

けど、いざ謝るとなると、どう切り出せばいいのかわからない。

“このあいだはごめん”?

“言い過ぎて悪かった”?

率直な謝罪が浮かびはするものの、それをそのまま口にする自分を浮かべゾッとする。
……だめだ、性に合わない。
けど、かといってこのままナアナアにするのも極まりが悪い。

「はあ……」

これ以上考えても無駄な気がしてきた。いっそ、このまますぐにでも向かって勢いのまま伝えるべきだろうか。
それとも、訪ねる前に何か詫びの品でも用意しといたほうがいいだろうか?

すぐ謝罪に向かう
詫びの品を用意する
手紙にしたためる 


 

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