甘。夢主視点。
ウオトリー村への最短ルートを見誤ったゼルダ。一行はやむを得ず野宿をし後日迂回することに。
その前夜、夜更けに目を覚ました夢主はリーバルの姿がないことを懸念し、リンクのこしらえた夜食を手に探しに向かうことに。
祠の調査と併せ、魔物の被害状況を確認するべくハテール地方の集落を巡ること数日。
ハテノ村を経った私たちは、ウオトリー村に向け最短のコガネヤ池を通り抜けるはずだった。
しかし、コガネヤ池は連日の雨続きで水位が上がっておりさすがに馬でも通れそうになく、やむを得ず迂回することとなったのだ。
別のルートの確保を急ぐゼルダは、渋るリーバルに何度も頼み込み、ミナミノ湾沿いの確認に向かわせた。
程なくして戻ってきた彼は、池のほとりで待機していた私たちの姿を見つけると、不機嫌そうに顔を歪め、しなやかに翼をはためかせながら降下してきた。
「やっぱり、ミナミノ湾沿いにウオトリー村へ抜けるのは不可能なんですね……」
降り立ったリーバルに歩み寄り声をかけると、彼は腰に片手をあてながらかぶりを振った。
「ああ、高い岩壁に阻まれてる。通り抜けできそうな洞窟も見当たらなかったよ」
咎めるような視線をゼルダに向けるリーバルに、彼女はごく申し訳なさそうに目を伏せた。
「無理を言ってごめんなさい……」
「だから言ったじゃないか。確認するだけ無駄だって」
なおも平謝りするゼルダにリーバルは具合が悪そうに手をひらひらさせると、そっぽを向いて腕組みをしてしまった。
もしゼルダが遠慮して助力を求めなかったなら、何だかんだしびれを切らして自ら確認に向かっていただろうに。
変に気を回すことで余計に負い目を感じさせまいとしたのだろう。悲しいかな、リーバルの成すことはことごとく裏目に出やすい。
はた迷惑だと言いたげなその態度が、自分が行かせたばかりに余計な面倒をかけたと彼女を余計に苦しめているはずだ。
それでもゼルダはめげずに次の候補を探すべくシーカーストーンと真剣に向き合っている。しかし案の定、その憂いを帯びた眼差しからは、彼のわかりづらい心配りがいささかも伝わっていないことがうかがい知れた。
ゼルダの肩に手を置くと、彼女は大丈夫、と微笑み、表情を引き締めた。
「致し方ありません。かなり遠回りではありますが、周辺調査も兼ねトキヒ池を通ってテルメ山を周回し、後日クテン池からダスキーダ高原を抜けましょう」
「備蓄は大丈夫でしょうか?一応余分に買い込みましたけど、ウオトリー村まで持つかどうか……」
調査を目的として隊を組んだため、人員はゼルダ、リンク、リーバル、そして私のみ。ウオトリー村までの距離はそこそこあるため、道中ぶんの備蓄をハテノ村で調達してあるものの、万一敵と遭遇した場合の回避を優先したために最低限の用意しかない。
「僕はいいさ。飛んで行けるからね。けど、そんな周り道したんじゃ馬の足でもさすがに時間がかかるんじゃないの?君たちに足並みを合わせてやってるほうの身にもなってほしいもんだね」
荷運びの馬をなだめていたリンクは、やり取りに黙って耳を傾けていたが、未だ悩むようにうつむいているゼルダの指示を仰ぐように視線を送った。
「トキヒ池の南西あたりのここ、恐らく洞穴のような地形かと思われます。ひとまずそこを拠点とし、雨風を凌ぎましょう。食料について懸念は残りますが、森のなかであれば山菜が取れるやもしれません」
シーカーストーンを収めたゼルダに「わかりました」と頷く。
「ここら一帯は、辺境の高原地帯……つまりは、人の踏み入らない土地ってわけだ。そういう場所ほど魔物が巣食いやすい。言っとくけど、そこらの森とはわけが違うからね」
「……わかっています。ですが、急がば回れ、とも言いますから」
彼の忠告に穀然とした面持ちで応じたゼルダに、リーバルはやれやれと苦笑を浮かべた。
「しっかりしてくれよ、姫。この辺りの地理に明るいやつはいないんだからさ」
「ま、僕がいる限りは何とかなると思うけどね」と茶化すように言い残しふたたび舞い上がったリーバルに、私とゼルダは顔を見合わせて笑う。
「頼りにしていますよ、リーバル」
飛び去る彼に声高に声をかける彼女の顔からすでに憂いは晴れていた。馬の背にまたがると、私たちはトキヒ池へと向けて足早に出発した。
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ばさり。大きな羽音に、まどろんでいた意識が浮かび上がる。
洞内に吹き込んだ風がたき火の火の粉を散らし、奥の水たまりを弾いた。ぽちゃんと水が跳ねる音が軽やかに反響し、野宿していることを思い出す。
身を起こすと、勢いの弱まった火に小枝をくべていたリンクが私に気づいて小首をかしげた。
「あ、悪い……起こした?」
「大丈夫。羽ばたくような音が聞こえて……あれ、そういえばリーバルは?」
洞内を見渡すが、彼の姿がない。
私のかたわらには、ゼルダがバッグを枕に静かに寝息を立てている。
「彼なら今しがた見回りにでかけたよ。引き留めたんだけど、行くと言って聞かなくてさ。多分、その先の平原辺りを飛んでるんじゃないかな」
どうやら先ほどの羽音はリーバルが飛び立った音だったらしい。
リトの村を訪れた際、鳥目のリトにとって夜間の飛行は困難だと村の戦士が教えてくれたことを思い出す。
こんな状況だからこそ気を抜けないのはわかるが、彼の場合は寝ずの番を引き受けたリンクへの対抗意識が余計にそうさせているように思えてならない。
リンクに不遜な態度を示す彼の姿が易々と想像できてしまう自分に、思わず苦笑いが浮かぶ。
ふと昼間の厳しい物言いが思い出され、すやすやと眠るゼルダに目を落とした。たき火に照らされた幼さの残る横顔には、慣れない長旅による疲れがありありと浮かんで見える。
ずり落ちた毛布を肩にかけ直し、頬にかかった横髪をそっと払う。
「彼も、せめてもう少し優しい物言いをしてくれたらいいのにね。お役目のことでただでさえ気を揉んでるというのに、英傑の長にまで任命されて……。そのうえ仲間うちまで折り合いが悪いんじゃ身が持たないよ」
私の言葉に、リンクは肯定も否定もしなかった。腹の内を明かさない彼は、他人を悪く言うこともない。それはある種美点と言えるかもしれないが、ゼルダやリーバルにはそれが淡々として見えるらしく、決して快く思われていないようだ。
余計なことを言わないぶん、彼の本心はわかりづらい。けれど注意深く目を配ってみれば、抜かりない行動の一つひとつからさり気ない配慮が不思議と垣間見えてくる。
決して人柄が悪いようには見えないのに、どうして二人とも気づけないのだろう。
「……ごめんね、リンク。私、リーバルを探してくる」
「ありがとう。会えたらでいいんだけど、ついでにこれも渡しといてくれる?」
困惑したように少しだけ口角を上げたリンクは、両手に収まるほどの包み紙を二つ手渡してきた。
紙越しにほんのりとした温もりが手に伝ってくる。
「夜食のホットサンド。あとで食べるって言ってたけど、戻ってくるころには冷えてそうだから。もう一つはアイのぶん」
「嬉しい。ありがたくいただくね」
胸に抱いたほかほかの包みに彼の細やかな優しさを感じながら、リンクもリーバルも、真反対なようでどちらも損な性格だな、と密かに笑みをこぼした。
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洞窟を抜けてからどれくらい歩いただろうか。平原は思った以上に広く、そして、意外と傾斜がきつい。
周辺の空を見渡すが、リーバルの姿はどこにも見当たらない。もしかすると、崖の上で羽を休めているのかも。
吹き渡る風が冷たく、やはり引き返そうかと思い始めたころ、ようやく坂のてっぺんに差し掛かり視界が開けた。
平原の外れに、大きな木が見える。
近づきつつ目を凝らすと、その木が小池の中央の岩場に立っていることが遠目にわかった。
その木の根元に、何やら人影が見える。リーバルだ。
手を振りながら声をかけると、木陰で目を伏せていた彼は、凝らすように細めた目を驚いたように見開いた。
「どこの誰かと思えば……。まさか、こんなところまで僕をつけてくるとはね」
「つけるだなんて人聞きの悪い。……この暗いなかあなたが見回りにでかけたってリンクが言うので、心配して探しに来たんじゃないですか」
私をまじまじと見つめていた彼は、くちばしを腕で隠しながら舌打ちをし、立てた片膝にだらりと腕をかけこぶしを固めた。
「ふうん、ご苦労様。探してなんて頼んでないけど」
すぐさまツンとあごを上げ、皮肉を垂れる彼に呆れ返りながら、小島に架けられた木片を渡る。
そういえば、この木片はなぜここにあるのだろう。ここに木は一本しかないため、自然に倒木した木の残骸とは考えにくい。周辺にはほかに木など見当たらないということは、まさかとは思うが、わざわざリーバルがここまで運んで架けたというのだろうか。
彼がもたれる木の後ろの道祖神に目が留まり、はっとした。
ゼルダは行く先々で道祖神を見つけると、必ずお供え物をして祈る。明日ここを通るということは、間違いなく道祖神を見つけるだろう。
もしかして彼はそれを知って……?
「何、ぼさっとしてるのさ」
かけられた声に振り向くと、空を眺めていたリーバルは、視線をそのままにこちらへ片翼を差し出した。
「それ、夜食だろ。いただくよ」
手にしていたホットサンドの包みを差し出すと、大きな指先でさっと奪われる。
私の手では二つぶんあると両手でしっかり持たないと落としてしまいそうなほどなのに、リトの彼の手には指先だけで十分収まってしまう。
心を閉ざすリンクとはまた違った距離をリーバルに感じるのは、きっと種族の隔たりだけじゃない。包み紙一つぶん消えた温もりに、少しの物寂しさを感じながら、彼と少し離れて樹の幹にもたれた。
「……昼間のことですけど」
さっそくホットサンドを頬張っているリーバルを横目に見上げながら切り出すと、彼はちらりとこちらに一瞥を寄越し、ふん、と鼻を鳴らした。
相づちと受け止め、ホットサンドをのせたひざを抱え直し、満天の空を見上げながら続ける。
「姫様は毅然と振る舞ってましたが、きっと深く傷ついてると思います。あんなきつい言い方しなくても良かったんじゃないですか」
ハッと小ばかにしたように笑った彼は、黙々と残りを平らげ、両手を軽く払った。
「夜食を手みやげにわざわざここまでやってきたのは、そんなくだらない説教を垂れるためかい?」
指先についたソースを口の端で舐めとりながら冷ややかな視線を投げかけられ、重々しい会話をしている最中にもかかわらず胸が跳ねる。
「僕は間違ったことは言ってないはずだよ。悪いけど、君の私見なんて聞くつもりはさらさらないからね」
「正しいことなら何を言っても許されると思ってるなら、大間違いです!」
聞き捨てならぬ言い草にいきり立って足を崩した私のひざから、ホットサンドの包み紙が転がり落ちた。
止める手を掠めた包み紙はそのまま地面を転げ、ぼちゃんと仄暗い小池に沈んでしまった。
「ああっ!私のホットサンドが……」
私と同じく手を突き出したまま呆気に取られていたリーバルは、肩を落とす私にふっとふき出したかと思うと、高笑いしはじめた。
しかめっ面なことが多い彼が声高に笑うのがめずらしく、じっと見つめていると、気まずそうに咳ばらいをした。かと思いきや、眉を歪め、ニヤリと口角を上げる。
「どんくさいな。我が身を顧みもしないで説教なんて出過ぎた真似するからそうなるんだ」
「それはあなたが」
興奮覚めやらぬまま身を乗り出してしまい、今度は自分の身まで転びそうになる。
咄嗟に差し出された手に夢中でしがみつく。初めて触れる羽毛のふわりとした柔らかな感触に驚いて見上げた私は、彼の顔が思ったよりも近くにあったことに驚いてさっと身を起こした。
「ご、ごめんなさい……!」
「い、いや……」
うろたえるように視線をさまよわせていたリーバルの翡翠が、一瞬きらりと光ったのを見逃さなかった。
視界の端を過ぎるものを追った先には、煌めく一筋の光。
「あっ、流れ星!」
私の視線を追うように空を見上げたリーバルは、落下地点を指で指し示し、目を見張った。崖下から直線状の光が立ち昇るのが見える。
「どうやらウオトリー村の方角に落ちたようだね」
「そのようですね」
ふたたび座り直しながら顔を見合わせた途端、先ほどのハプニングがまざまざと浮かんできた。
即座に反らされた彼の横顔は、ほのかな月明かりでもわかるくらい色づいて見える。
「リーバルは、お願い事しました?」
恥ずかしさを紛らわそうとどうにか捻り出した言葉は、乾いた笑いにより蹴り飛ばされ、膨らみかけていた気持ちが急速にしぼむ。
「馬鹿馬鹿しい。願掛けなんてするのは、大抵自分に自信がないやつらだ。結局のところ、本気で叶えたいなら、自力でどうにかするしかないってのに」
「けど、一人の力じゃどうしようもないことだってあります」
「へえ、そう。どういうことか言ってみなよ」
「例えば、私たちがなかなか打ち解けられない問題なんかまさにそうですよ。一人ひとりの意識が変わらないとどうにもならないじゃないですか」
リーバルの目に怒気が宿り始めていることに気づいて、声が尻すぼみになってゆく。
しかし、私の答えに彼は呆れたように笑っただけだった。
「余計なお世話だね。どうせこの戦いが終わればそれぞれ故郷に凱旋するんだ。なれ合いなんて無意味だよ」
「そんなことない!連帯感は一番大切ですよ。私たちは、一人で戦ってるわけじゃないんですから」
「ほんと、つくづくお節介だよねぇ、君……」
ばつが悪そうにぼそりとつぶやいたリーバルは、ふと思い立ったように意地悪な笑みを浮かべると、小首をかしげながらじっとりとした視線を向けてきた。
「ま、今はそんなことはどうでもいいさ。そんなことより、さっきは何を願ったんだい?
まさかあの束の間のあいだに”みんなが打ち解けられますように”……なんて願っちゃいないだろ」
「ええ、まあ……」
考えなしに正直にそう答えた私は、自分の失言に言葉を詰まらせ両手で口をふさいだ。
「何、言えないようなことなのかい?」
「えっと、その」
おもしろがるように身を寄せてきたリーバルの瞳を直視できず顔を逸らした。なおも顔を覗き込まれ、たまらず目を固く閉ざす。
ふっと頭上で低い笑い声が響いたかと思うと、ふわりと後頭部に温もりを感じた。
驚いている間にぐいっと引き寄せられ、彼の胸当てに頬が押し付けられる。
背中に回されたもう片方の翼は、さっきまで抱えていたホットサンドのように温かく。きつく抱きしめる腕の力強さを感じるほどに、私の鼓動は激しく打ち鳴らされる。
「リーバル!?何を……」
頬に手が添えられ、親指にそっと唇を塞がれる。
「ちょっと黙っててほしいんだけど」
月光に煌めく翡翠が真っすぐに落とされる。その真剣味を帯びた眼差しに魅せられ、逸らしたいのに目が離せなくなる。
言われるがまま口を閉ざすと、気を良くしたように口角を上げたリーバルは、そのまま指を頬に滑らせた。触れられたところから、じんわりと熱くなる。
白い指先にそっと手を重ねる。私の手のひらでも収まり切らないほどの大きな指。人よりも高い体温。さらりとした羽毛から香り立つのは、リーバルのにおいだろうか。
森を翔け緑の香りを取り込んだその一つひとつは、辛辣な言動とは裏腹に少し優しい香りがする。
「……そうだ。君の願い、僕が当ててみせようか」
物言いは意地悪なことに変わりないはずなのに、どこか柔らかな声色。
「”リーバルと恋仲になれますように”……違うかい?」
大胆にそう言って退ける彼は、余程の自信家か、それとも自分の推測に確信があるのか。
くらくらする頭に思考を奪われ何も答えられずにいる私を置き去りにしたまま彼は続ける。
「はずれか。……じゃあ、こうかな?”リーバルが振り向いてくれますように”。
……なんだ、これも違うのかい?」
私は何も答えていないのに、一人で勝手に茶番を続ける彼の魂胆が見えない。
そうまでして、私の胸中を暴きたいのだろうか。
「あ、わかった……こうだろ」
“リーバルにキスされますように”
吹き込まれた声の艶に、ぞわぞわと耳の奥が熱くなる。
再度視線を合わせた彼の面差しは、私の心情を弄ぶように笑みを浮かべているが、その双眼の奥に宿る炎は、私の心を溶かさんとして燃えたぎっている。
「君が望むなら、叶えてあげようか。ただし、これは星の力なんかじゃない。叶えてあげるのは、僕だよ」
少しずつ近づくくちばしの先。”叶えてください”と唱え終えるころには、すでに唇と重なっていた。
歓喜に震える唇は熱い舌に割り開かれ、長い舌先に乾いた舌が絡めとられる。
薄く目を開くと、ぎらつく翡翠と視線が絡まった。恥じらうように歪められた眉は、伸ばされた手のひらが私の視界を閉ざしたことにより隠されてしまった。
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「リーバルは、もし一つだけ願いが叶うとしたら、何をお願いしますか?」
流れで落ちた星を見に行こうということになり、初めて彼の背に乗せてもらった。
振り落とされないように首にしがみつくと、彼の三つ編みが頬をくすぐってこそばゆい。
私の問いに「愚問だね」と切り捨てた彼は、むくれる私を肩越しに確かめあざけるように笑うと、前方に視線を戻した。
「本当に願いが叶うとしても、願い事なんてしないさ。他力本願で叶ってしまう願いなんて、所詮その程度のもんだろ。たかが知れてるよ。
それに……一つはもうとっくに叶っちゃってる……」
最後の一言が聴き取れず聞き返すが「僕のことはもういいだろ」と突き返された。
「それより君、結局のところ、本当は何をお願いしたんだい?さっきのは君の本当の願いじゃないだろ」
探るような視線にふたたび鼓動が早鐘を打ち始める。はぐらかされた仕返しに、私は咄嗟に嘘をついた。
「”リーバルが私の名前を呼んでくれますように”、です」
「はあ?何だよそれ……」
「それで、叶えてくれるんですか?」
「さあね。僕の気が向いたら、じゃない?」
「あ、ずるい!」
深くため息をつく私をおかしそうに笑った彼は、伏し目がちに”アイ“とぎこちなくつぶやいた。
胸がいっぱいになって首に回した腕に力を込めると「わっ、よせ!墜落したらどうするんだい」とたしなめられてしまった。
“この戦いが終わっても、リーバルと一緒にいられますように”
終わり
(2021.10.10)
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★あとがき&ちゃんみ様へ
アンケートのご要望欄にて、ちゃんみ様からいただいたお題のなかから「流れ星を見てお願い事をする」というお題を拝借いたしました(*’▽’)
今回は舞台を決めたあと、入れ込みたいシチュやセリフを書き出し、後で肉付けをしていったので、ストーリー性は皆無と言ってもいいです。
というのも、物語というよりは日常の一幕のようなお話にしたいと思ったからです。そんな風にできあがっているかはわかりません。結局いつも通りな感じかもしれない(笑)
脈絡はともかく、入れたかったセリフは欲張って全部詰め込みました。お気に召したものがあれば幸いです…!
最後にちゃんみ様。私のくだらない冗談にノリまで合わせて付き合ってくださるそこのちゃんみ様(笑)
お題の内容からも、その心優しいお人柄がにじみ出ております…!良案をいただきまして本当にありがとうございます…!
今後とも、末永くよろしくお願いしたいです。
いつも!本当に!あざす!!m(_ _)m(深々)
最後までお付き合いくださった方も、本当にありがとうございます!
夜風より